「警備員はやめとけ」という言葉をネットで目にした方も多いはずです。警備員に転職しようとした友人や家族から「そこはやめておけ」と言われた経験を持つ方もいるかもしれません。はたして、その言葉は正しいのでしょうか?
この記事では、「警備員はやめとけ」と言われる具体的な理由を10項目にわたって徹底的に解説します。同時に、それでも警備員に向いている人の特徴、警備員として長く働くためのコツ、そして「やめとけ」と思えるほどきつい状況から抜け出すための転職・キャリアアップ戦略も詳しくお伝えします。
警備員への転職を検討している方にも、今まさに「やめとけばよかった」と後悔している現役警備員の方にも、どちらにとっても「次のアクション」が見えてくる内容です。
1. 「警備員はやめとけ」と言われる10の理由
なぜ「警備員はやめとけ」とこれほどまでに言われるのでしょうか。その理由は、単なるイメージではなく、現場の過酷な実態に基づいています。
①体力的に消耗するのに給料が低い(コスパが悪い)
警備員の仕事は、基本的に体力勝負です。8〜24時間の長時間の立ち仕事、夏の炎天下や冬の極寒での屋外立哨は日常茶飯事です。特に交通誘導は体力消耗が激しく、常に危険と隣り合わせです。しかし、それだけ体を使っても時給換算すると1,000〜1,200円程度にとどまることが多く、「これだけ体を使うなら製造業のほうがまし」という声が頻出します。肉体的な負担と報酬が見合わないと感じる「コスパの悪さ」が最大の理由です。
②24時間当務(仮眠なし)という特殊な過酷さ
施設警備では24時間拘束の「当務」が標準的な勤務形態です。求人票には「仮眠3〜4時間あり」と書かれていても、実際には深夜の緊急対応や電話対応で睡眠時間が削られることが多々あります。明け休みは本来自由な時間ですが、実際は疲労回復のための睡眠で消えてしまい、「休み」という感覚が得られません。累積した疲労が抜けないまま次の当務が来るサイクルは、心身を確実に蝕みます。
③夜勤による体内時計の慢性的な乱れ
当務と明け、そして公休を繰り返すシフトは、毎週「時差ボケ」を繰り返しているようなものです。食欲、睡眠、体温調節のリスクがすべて乱れ、慢性的な体調不良に陥りやすくなります。WHO(世界保健機関)は夜間勤務を「発がん性の可能性がある」リスク要因に分類しており、長期的な健康リスクを知ると「やめとけ」と言いたくなるのも無理はありません。
④精神的な孤独感・閉塞感
一人立哨の時間が長く、誰とも話さずに何時間も立ち続ける仕事は、刺激がなく精神的に消耗します。深夜の施設を一人で巡回する際の孤独感や恐怖感も相当なものです。また、「何事もなくて当たり前」の仕事ゆえに達成感を得にくく、長期化すると「自分は社会から取り残されている」という閉塞感が強まります。
⑤理不尽なクレームを最前線で受け続ける
工事現場の交通誘導では、渋滞にイライラしたドライバーや近隣住民からの怒鳴り声を日常的に受けます。商業施設でも、客からの理不尽なクレームを最初に受けるのは警備員です。「お前らは何もわかっていない」と罵倒されても、低姿勢で謝り続けなければならないストレスは、精神的ダメージとして蓄積します。
⑥昇給・キャリアアップの見通しが立ちにくい
中小の警備会社では、明確な昇給制度がないことが珍しくありません。「5年働いても月給が数千円しか変わらない」というケースもザラにあります。資格を取得すれば手当は増えますが、それを明示している会社ばかりではなく、キャリアパスが見えないまま漫然と働き続けることになりがちです。
⑦人間関係のストレスが独特
一人の現場が多い反面、当務をともにする同僚とは24時間密着することになります。相性が悪い相手と組むことになった場合のストレスは地獄です。また、職場によっては古い体育会系の上下関係が残っており、新人が理不尽な扱いを受けることもあります。「現場ガチャ」「相方ガチャ」と呼ばれるほど、環境の当たり外れが大きいのも特徴です。
⑧暑さ・寒さの環境が過酷すぎる(特に交通誘導)
真夏の国道工事での交通誘導は、路面温度が60度を超えることもあります。防護服の蒸し暑さと相まって、熱中症のリスクは極めて高いです。逆に真冬の深夜工事は、気温氷点下、体感温度マイナス10度以下という極寒の世界です。「この環境で働けと言われても無理」と、体が悲鳴を上げて辞めていく人が後を絶ちません。
⑨社会的地位・世間のイメージが低く評価されやすい
「警備員なんて誰でもできる仕事」という根拠なき偏見が依然として残っています。合コンや婚活で職業を伝えた瞬間に場が冷める経験をしたという声も聞かれます。家族や友人からの「なぜ警備員に?」という視線のプレッシャーも、ボディブローのように効いてきます。実際には専門職であるにもかかわらず、世間の評価が低いことはモチベーションを下げる大きな要因です。
⑩離職率が高く「人が定着しない職場」が多い
警備業全体の入職率・離職率は製造業よりも高く、特に初年度の離職率が高い傾向にあります。「人が常に入れ替わる」ということは、職場環境に何らかの問題があるケースが多い証拠です。慢性的な人手不足により、一人あたりの負担が増え、さらに人が辞めていくという悪循環に陥っている現場も少なくありません。
やめとけと言われる理由ワースト3(現役・元警備員アンケートより)
- 体力的な消耗と給料の低さのギャップ
- 夜勤・当務による生活リズムの崩壊
- キャリアアップ・昇給の見通しの悪さ
2. やめとけと言われる警備員の種類・業種別ランキング
一口に警備員と言っても、その種類によって「きつさ」は天と地ほどの差があります。「やめとけ」と言われるのは、主に特定の業種に集中しています。
| 種類 | きつさ | 給与 | 将来性 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 交通誘導(2号警備) | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 最も「やめとけ」と言われる。屋外・体力消耗大。 |
| 深夜施設警備(1号・当務) | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 仮眠が取れるかで天国と地獄が分かれる。 |
| 商業施設(日勤) | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | クレーム対応が多く、立ちっぱなしがきつい。 |
| 官公庁・公共施設 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | 比較的安定しており、おすすめできる環境。 |
| 空港・病院保安 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 専門資格が必要だが、給与は高め。 |
| 現金・貴重品輸送(3号) | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 責任重大だが高給。ミスが許されない緊張感。 |
「この中で特にやめとけと言われるのは交通誘導警備」
ランキングからも分かる通り、最も「やめとけ」と言われるのは交通誘導警備です。屋外環境での過酷さ、体への負担、そして給与水準の低さというトリプルパンチが理由です。特に夜間の深夜工事は、生活リズムも崩れるため最も過酷です。ただし、即日採用されやすく需要も高いため、「短期間で稼ぐためのつなぎ」として割り切って使う分には有効な選択肢とも言えます。
3. 警備員の給料・年収の実態──本当に割に合わないのか?
「給料が安い」と言われますが、実際にはどの程度なのでしょうか。具体的なシミュレーションを見てみましょう。
| パターン | 月収目安 | 年収目安 |
|---|---|---|
| 交通誘導アルバイト(日勤のみ) | 15〜18万円 | 180〜220万円 |
| 施設警備正社員(当務なし) | 20〜22万円 | 240〜280万円 |
| 施設警備正社員(当務月8回) | 24〜28万円 | 290〜340万円 |
| 資格保有・班長職 | 28〜35万円 | 340〜440万円 |
| 大手警備会社・管理職 | 35〜50万円 | 430〜620万円 |
「割に合わない」と感じる人と「許容できる」と感じる人の違い
「割に合わない」と強く感じるのは、体力消耗が激しい交通誘導や、クレーム対応が多い商業施設担当の人たちです。一方で、屋内施設で空調が効いており、仮眠もしっかり確保され、資格手当もつく環境で働いている人は、「仕事内容のわりに給料は悪くない(割に合う)」と感じる傾向があります。つまり、「現場選び」がすべてなのです。
4. それでも警備員に向いている人の7つの特徴
これだけ「やめとけ」と言われても、警備員として長く活躍し、満足している人もいます。彼らには共通した特徴があります。
- 一人の時間が苦にならない・むしろ好きな人
- 規則・手順をきっちり守ることが得意な人
- 緊急事態に冷静に対処できる人
- 深夜・不規則な生活でも体調を維持できる体質の人
- 「じっくり・コツコツ」タイプで、仕事に大きな達成感を求めない人
- 体を動かしたい・ずっと座っているデスクワークが嫌いな人
- 将来のための「つなぎ」として、明確な期間を決めて働きたい人
警備員を『つなぎ』として活用するのはアリ?
アリです。空白期間を作りたくない、とりあえず就労経験を積みたいという場合、即採用されやすい警備員は有効な選択肢です。ただし、「1〜2年以内に転職する」「その間に資格を取る」といった明確な期限と目標を持つことが大前提です。漫然と続けてしまうと、抜け出せなくなるリスクがあります。
5. 警備員として長く続けるための5つのサバイバル術
もし警備員を続けるなら、自分の身を守るための「サバイバル術」が必須です。
①「現場を選ぶ権利」を主張する
警備会社は通常、複数の現場を持っています。自分に合わない現場に配属された場合、我慢せずに異動を交渉しましょう。「できれば屋内施設希望」「当務の頻度を月4回以内に」など、具体的な条件を伝えます。まともな会社なら配置転換を検討してくれます。交渉に応じない会社なら、会社自体を変えることを視野に入れるべきです。
②体のメンテナンスを日課にする
体は資本です。高品質なインソールや膝サポーターへの投資(3,000〜8,000円程度)は、体の負担を劇的に軽減します。また、勤務後のストレッチや入浴ルーティンを確立し、疲労を翌日に持ち越さない工夫が必要です。年に1回の健康診断も必ず受けましょう。
③資格取得で「専門家意識」を持つ
施設警備業務検定や交通誘導警備業務検定を取得することで、単なる「立っている人」から「プロの警備員」へと意識が変わります。資格手当で収入が増えるだけでなく、職場での発言力や立場も向上し、メンタルの安定につながります。
④明確な「次のキャリア目標」を設定する
「3年後にビルメンへ転職する」「2年後に設備保全の資格を取って製造業へ行く」など、出口戦略を持っておくことです。今の苦労が将来への「投資」であると思えれば、精神的な持続力が全く違ってきます。
⑤仮眠・睡眠環境への投資を惜しまない
仮眠室の環境が悪くても、マイ枕、耳栓、アイマスクを持参することで睡眠の質は改善できます。また、明け日の過ごし方を「帰宅→シャワー→就寝→午後に起床→夜は早寝」とルーティン化し、体内時計の乱れを最小限に抑えましょう。
6. 「やめとけばよかった」後悔を防ぐ!求人選びの鉄則
これから警備員になる人が後悔しないためには、入り口である求人選びが最重要です。
- 仮眠時間・仮眠室の有無(「3〜4時間の仮眠あり」の内容を具体的に確認)
- 当務回数(月何回か・当務専属か日勤と混合か)
- 資格手当の有無と金額(求人票に明記されているか)
- 離職率・平均勤続年数(公開していない会社は要注意)
- 研修制度(未経験者向けの研修期間がしっかりあるか)
面接時には、以下の質問を必ず投げかけてください。
- 「当務後の休暇(明け休み以外)は何日ありますか?」
- 「実際に仮眠が取れなかった場合はどうなりますか(残業代など)?」
- 「昇給・昇格の実績を教えてください(過去3年)」
- 「資格手当の支給実績はありますか?」
- 「担当現場は固定ですか・ローテーションですか?」
ブラック警備会社チェックリスト(これがあったら要注意)
- 面接当日に即採用を迫る(人が足りすぎて焦っている)
- 資格手当・昇給の基準が曖昧で答えられない
- 仮眠室の有無を聞くと言葉を濁す
- 口コミサイトに「サービス残業」「仮眠取れない」の口コミが複数ある
7. 警備員のキャリアアップ・年収アップの現実的な方法
警備員として働きながら年収を上げる方法は、実は明確です。
資格手当の積み上げ戦略
| 資格名 | 月額手当目安 | 取得難易度 |
|---|---|---|
| 施設警備業務検定2級 | +5,000〜10,000円 | 普通 |
| 施設警備業務検定1級 | +10,000〜20,000円 | やや難 |
| 交通誘導警備業務検定2級 | +3,000〜8,000円 | 普通 |
| 警備員指導教育責任者 | +15,000〜30,000円 | 難 |
| 自衛消防技術認定 | +5,000〜15,000円 | 普通 |
社内キャリアパスと大手転職
一般警備員から班長・係長(月+3〜5万円)、現場責任者(月+5〜10万円)、そして統括責任者・本社スタッフ(月+10〜20万円)へとステップアップするのが王道です。また、セコム、ALSOK、綜合警備保障などの大手警備会社は、中小に比べて年収や福利厚生が圧倒的に充実しています。経験を積んでから大手へ転職し、即戦力として処遇改善を狙うのも賢い戦略です。
8. 警備員から転職して後悔しない方法
「やっぱり警備員は辞めたい」と思った時、その経験を活かせる転職先はこれだけあります。
①ビルメンテナンス(施設管理)
警備と設備管理は親和性が高く、最も自然な転職先です。在職中に「電気工事士2種」を取得しておけば、大幅な年収アップ(目安320〜450万円)が狙えます。
②製造業(設備保全・安全管理)
危機管理能力やコンプライアンス遵守の姿勢が即評価されます。屋内勤務で体への負担が激減するのも大きなメリットです。年収目安は350〜500万円と高めです。
③物流倉庫スタッフ(深夜シフト)
警備員で培った「夜勤適応力」が最大の武器になります。警備員よりも時給が高い案件も多く、単純作業で精神的なプレッシャーが少ないのも特徴です。
④マンション管理員
警備経験がそのまま活かせます。住込みで働く選択肢もあり、その場合は家賃がゼロになるため、実質的な可処分所得はかなり高くなります。
転職時の自己PR文例(警備員経験者向け)
「施設警備員として○年間、24時間体制での入退場管理・巡回・緊急対応を担当してまいりました。警備業法に基づく厳格なルール遵守・報告連絡相談の習慣と、突発的な緊急事態への冷静な対応力を培いました。この経験と責任感を貴社の○○業務にて活かしたいと考えております。」
転職活動のロードマップ
- STEP1 今すぐ: 「なぜ辞めたいか」「次に何をしたいか」を書き出す
- STEP2 1〜2ヶ月: 無料の転職エージェントに相談→市場価値を確認
- STEP3 2〜4ヶ月: 職務経歴書作成→資格取得の並行検討→応募開始
- STEP4 4〜6ヶ月: 複数社の面接→条件交渉→転職先確定
9. まとめ──「やめとけ」を知ったうえで自分で判断する
「警備員はやめとけ」という言葉には、確かな理由があります。しかし、それは「すべての人にとって最悪」という意味ではありません。
まとめポイント
- 「警備員はやめとけ」と言われる理由は体力・夜勤・低賃金・孤独など10の要因があり、リアルな問題だ
- ただし「どの現場・どの会社・どんな勤務形態か」によって労働環境は大きく異なる
- 向いている人(一人時間が苦でない・コツコツタイプ・つなぎとして割り切れる人)には十分に続けられる仕事
- 資格取得・役職昇格・大手転職で年収は1.5〜2倍を目指せるルートが存在する
- 「やめとけ」と感じているなら、警備業の中で環境を変えるか、転職かの2択を早めに判断する
- 警備員経験はビルメン・製造業・物流など多くの職種で評価されるため、「出口」は必ずある
「警備員のキャリアに悩んでいるあなたへ」
やめとけと言われる理由は理解した。でも今すぐどうすればいいかわからない──そんな状態なら、まずプロに相談してください。あなたの警備経験・体力・責任感を評価してくれる職場を、一緒に探しましょう。無料で相談できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 警備員はやめとけと言われますが、未経験でも採用されますか?
未経験でも採用されます。警備業は慢性的な人手不足のため、未経験・無資格でも採用する会社が多数あります。ただし「やめとけ」と言われる理由(体力・夜勤・低賃金)を事前に理解したうえで応募することが重要です。
Q2. 警備員はやめとけと言う人が多いのに、なぜ55万人もいるのですか?
「やめとけ」と言われる点があっても、「未経験OK・即採用・シフトの自由度・体を動かせる・社会貢献できる」という魅力がある仕事でもあるからです。また、他に選択肢がない場合の「つなぎ」として働く人も多いのが現実です。
Q3. 警備員はやめとけという人と続けて良かったという人の違いは何ですか?
最大の違いは「現場・会社選びの成功/失敗」です。仮眠が確保される施設・資格手当が充実した会社・人間関係が良い現場に当たった人は「続けて良かった」と感じやすく、逆のケースは短期離職につながります。
Q4. 警備員から別の仕事に転職できますか?何年働いたら転職しやすいですか?
転職できます。一般的に1〜3年の経験があれば「危機管理・規律・夜勤耐性」としてアピールできます。ビルメン・製造業・物流・マンション管理員が主な転職先です。30代前半までなら未経験職種への転職も十分可能です。
Q5. 交通誘導の警備員はやめとけと言われますが、施設警備ならましですか?
一般的に施設警備のほうが過酷さは低いです。特に官公庁・公共施設の日勤専属や、空調が完備された建物内の施設警備は、交通誘導より体への負担が格段に少なくなります。転職時は「施設警備・屋内・日勤希望」と明示するのが賢明です。
Q6. 40代・50代で警備員に転職しようとしていますが、やめたほうがいいですか?
体力面を正直に自己評価することが大切です。40代以上でも施設警備(特に日勤・屋内)なら継続可能な方は多くいます。ただし交通誘導の深夜工事は体への負担が大きく、長期継続はリスクがあります。「どの種類の警備をするか」を慎重に選びましょう。

