警備員の仕事はきつい?──現場のリアルな実態・つらい理由8選・向いている人の特徴・転職の選択肢を徹底解説

「警備員の仕事は楽そうに見えて、実は相当きついらしい」「ずっと立ちっぱなしで腰を痛めると聞いた」──警備員の仕事に対して、このようなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。確かに、警備員の仕事には特有の「きつさ」が存在します。しかし一方で、未経験からでも始めやすく、社会の安全を守るという大きなやりがいがある仕事でもあります。

この記事では、警備員の仕事が「きつい」と言われる8つの具体的な理由を、現場のリアルな声をもとに徹底解説します。また、給料の実態や向いている人の特徴、きつさを乗り越えるためのコツ、そして将来的なキャリアアップや転職の選択肢についても詳しく掘り下げていきます。

警備員への就職・転職を考えている方、あるいは現在警備員として働いていて「辞めたい」と悩んでいる方にとって、現状を打開し、より良いキャリアを選択するための指針となる内容です。

目次

1. 警備員の仕事の種類と基本的な業務内容

まず、「警備員」と一口に言っても、その業務内容は配属される現場によって大きく異なります。警備業法では、業務内容によって大きく4つの区分(1号〜4号)に分けられています。

警備業法に基づく4種別

1号警備(施設警備)
商業施設、オフィスビル、病院、工場、遊園地などの施設内に常駐し、巡回や出入管理、防犯モニターの監視などを行います。屋内での業務が中心ですが、広大な敷地を歩き回る体力も必要です。求人数が最も多く、警備員の約半数がこの1号警備に従事しています。

2号警備(交通誘導・雑踏警備)
工事現場や道路工事での車両・歩行者の誘導、花火大会やイベント会場での群衆整理を行います。屋外での業務がメインとなるため、天候の影響をダイレクトに受けます。こちらも求人数が非常に多い職種です。

3号警備(輸送警備)
現金輸送車での現金輸送や、美術品・貴金属などの貴重品の運搬を警備します。強盗などのリスクに備えるため、高度な防犯意識と訓練が求められます。

4号警備(身辺警護)
いわゆるボディーガードです。政治家や芸能人、企業のVIPなどの身辺を守ります。高度な格闘スキルや判断力が求められる専門性の高い仕事です。

一般的な求人でよく見かけるのは、1号(施設警備)と2号(交通誘導)です。勤務形態は日勤のみの場合もあれば、24時間勤務(当務)して明け休みが入る変則的なシフトも一般的です。

2. 警備員がきついと言われる8つの理由

警備員の仕事が「きつい」と言われる背景には、肉体的・精神的な負担が複雑に絡み合っています。ここでは、現場から聞こえてくる8つの主な理由を詳述します。

①長時間の「立ちっぱなし・外立ち」が体に堪える

警備員の基本姿勢は「立哨(りっしょう)」、つまり立ったまま警戒にあたることです。施設警備では数時間おきのローテーションがある場合もありますが、交通誘導警備では一日中、ほぼ立ちっぱなしです。足の裏、ふくらはぎ、腰への負担は凄まじく、慢性的な腰痛や下肢静脈瘤(足の血管が浮き出る病気)は警備員の職業病とも言われています。

②夜勤・深夜勤務による体内リズムの乱れ

施設警備の多くは24時間勤務(当務)です。朝9時に出勤し、翌朝9時まで勤務します。仮眠時間は3〜4時間程度設定されていますが、緊急対応や巡回があれば削られることもあり、「実質徹夜」に近い状態になることも。明け休み(勤務終了後の休み)があるとはいえ、昼夜逆転の生活が続くため、自律神経が乱れやすく、慢性的な睡眠不足や疲労感に悩まされる人が少なくありません。

③精神的プレッシャー・孤独感

深夜の誰もいないビルを一人で巡回する恐怖や孤独感は、想像以上に精神を削ります。また、「何も起きないことが当たり前」とされる仕事ですが、万が一不審者や火災が発生した際には、初期対応の全責任がのしかかります。「何かあったらどうしよう」という緊張感を常に強いられるストレスは、警備員特有のものです。

④クレームや横柄な態度への対応

交通誘導や施設の入り口では、一般の人々と接する機会が多いです。中には「なんでこんな所に立ってるんだ!邪魔だ!」「誘導が悪いから渋滞してるじゃないか!」と理不尽に怒鳴られることもあります。相手が酔っ払いの場合もあり、何を言われても反論せず、低姿勢で対応しなければならない忍耐力が求められます。

⑤給料が労働量に見合わないと感じる

これだけ大変な思いをしても、給料は決して高くありません。平均時給は1,000円〜1,200円程度、年収は200万円〜300万円台がボリュームゾーンです。「暑い中、寒い中、危険と隣り合わせで働いているのに、これだけしか貰えないのか」という徒労感が、離職の大きな原因となっています。

⑥人間関係・コミュニケーションの難しさ

警備現場には、様々なバックグラウンドを持つ人が集まります。定年退職後のシニア層、夢を追う若者、コミュニケーションが苦手な人など多種多様です。長時間、閉鎖的な空間(警備室など)で相性の悪い同僚と二人きりになるストレスは計り知れません。「寡黙なベテランと12時間無言で過ごすのが苦痛」という若手警備員の声もよく聞かれます。

⑦暇すぎる・刺激がなさすぎる「苦痛」

忙しい現場も大変ですが、逆に「何もすることがない」現場も精神的にきついものです。人の出入りが全くない裏口で何時間も立っているだけ、という状況は、時間の経過が遅く感じられ、強烈な退屈さとの戦いになります。スマホをいじることも、居眠りすることも許されないため、この「虚無感」に耐えられずに辞める人もいます。

⑧体力的な疲弊が蓄積しやすい

特に2号警備(交通誘導)は、真夏の炎天下(路面温度は50度以上)、真冬の極寒、雨や雪の中でも業務を遂行しなければなりません。空調服や防寒着などの対策は進んでいますが、それでも自然環境の過酷さは体にダメージを与えます。重い安全靴、ヘルメット、誘導棒などの装備もじわじわと体力を奪います。

警備業界の離職率について

警備業は全産業の中でも離職率が高い傾向にあります。特に採用から1年以内の「早期離職率」が高く、事前のイメージと現場の厳しさのギャップに耐えられない人が多いのが現状です。しかし、3年以上続いた人は定着率が高くなる傾向もあります。

3. 警備員の給料・年収の実態

「きつい」と言われる警備員ですが、実際の収入面はどうなのでしょうか。

全国平均年収と雇用形態別のシミュレーション

厚生労働省などのデータを参考にすると、警備員の平均年収は約280万〜330万円程度です。ただし、これは雇用形態や勤務地、保有資格によって大きく変動します。

雇用形態・職種月収目安年収目安特徴
アルバイト(日勤のみ)15〜18万円180〜220万円時給制。シフト自由度は高いが賞与なし。
正社員(施設警備・日勤)20〜22万円240〜280万円安定はしているが、夜勤手当がないため低め。
正社員(夜勤・交替制)24〜28万円290〜350万円深夜割増・残業代で稼ぐスタイル。
班長・リーダー職28〜35万円350〜450万円役職手当あり。現場管理や指導も行う。
有資格者(検定1級等)30〜40万円360〜500万円資格手当+役職手当。大手なら500万超も。

地域による格差

最低賃金の影響を受けるため、東京や大阪などの都市部では時給が高く(1,200円〜1,500円)、地方では低い(900円〜1,000円)傾向が顕著です。稼ぎたい場合は、都市部の大手警備会社を狙うのが鉄則です。

4. 警備員の仕事のメリット・やりがい

きつい面ばかりが強調されがちですが、警備員ならではのメリットややりがいも確実に存在します。

  • 未経験・無資格でも採用されやすい
    慢性的な人手不足のため、年齢や経歴を問わず採用の門戸が広いです。「明日から働きたい」というニーズにも応えやすい仕事です。
  • シフトの融通がきく
    特に2号警備のアルバイトは「週1回からOK」「土日のみOK」など自由度が高く、副業やダブルワーク、夢を追いながらの生活維持に適しています。
  • 社会インフラを支える誇り
    工事現場や商業施設、オフィスビルは、警備員がいなければ安全に機能しません。「人々の当たり前の日常を守っている」という静かな使命感を持てる仕事です。
  • 直接感謝される場面もある
    道案内をした時や、安全に誘導できた時に「ありがとう」「お疲れ様」と声をかけられると、疲れも吹き飛びます。
  • 資格取得で着実にキャリアアップできる
    「警備業務検定」や「指導教育責任者」などの国家資格を取得すれば、手当がつくだけでなく、指導的立場への昇格も明確に見えてきます。

ベテラン警備員(勤続15年)の声

「最初の1年は足が痛くて辞めたくて仕方なかった。でも、慣れてくると精神的には楽な仕事だと気づいた。ノルマもないし、持ち帰りの仕事もない。資格を取って係長になってからは年収も450万円を超え、家族を養えている。」

5. 向いている人・向いていない人の特徴

警備員の仕事には、明確な「向き・不向き」があります。ご自身がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。

向いている人の特徴

  • コツコツと同じ作業を継続することが苦にならない
  • 責任感が強く、小さな変化や異変に気づける
  • 一人の時間が好きで、孤独を感じにくい
  • 体力に自信があり、屋外で過ごすことが好き
  • 決められたルールや手順を正確に守るのが得意
  • 人と深く関わらなくても平気、ドライな人間関係を好む

向いていない人の特徴

  • 仕事に「達成感」や「目に見える成果」を強く求める
  • 常に誰かと話していたい、人との関わりがないと辛い
  • 夜型生活や不規則なシフトが体質的に合わない
  • 理不尽なクレームを言われると深く傷ついて引きずってしまう
  • じっとしているのが苦手で、常に動き回っていたい

6. きつさを乗り越えて長く続けるための5つのコツ

もし警備員として長く働きたいなら、以下の5つの対策を講じることで「きつさ」を軽減できます。

①資格を取得して「専門職」の意識を持つ

ただ立っているだけの「監視員」ではなく、プロの「警備員」になりましょう。施設警備業務検定や交通誘導警備業務検定などの資格を取得することで、自信がつき、周囲からの見る目も変わります。専門職としてのプライドが、精神的な支柱になります。

②体のケアを徹底する(足・腰・目)

体は資本です。安物の靴ではなく、衝撃吸収に優れたインソールや高機能な安全靴に投資しましょう。着圧ソックス(弾性ストッキング)はむくみ防止に効果的です。勤務後の入浴やストレッチをルーティン化し、その日の疲れをその日のうちにリセットする意識が重要です。

③「現場選び」にこだわる

警備会社によって、持っている現場の質は天と地ほどの差があります。一般的に、商業施設系は客層が幅広くクレームが多い一方、オフィスビルや官公庁、データセンターなどは比較的落ち着いていて環境が良い傾向にあります。面接時にどのような現場が多いかを確認しましょう。

④仮眠・休息の質を最大化する

24時間勤務の場合、限られた仮眠時間でいかに深く眠れるかが勝負です。耳栓、アイマスク、マイ枕などを持ち込み、休息の質を高めましょう。明け休みの日も、昼まで寝すぎず、適度に体を動かして夜にしっかり寝ることでリズムを整えられます。

⑤将来のキャリアパスを明確にする

「一生現場で立ち続けるのか」という不安がストレスになります。「3年後に資格を取って現場責任者になる」「5年後に内勤の管制業務に移る」「資金を貯めて独立する」など、具体的な目標を持ちましょう。ゴールが見えていれば、今の肉体的な辛さも「将来への投資」と捉え直すことができます。

7. 警備員から転職・キャリアアップを考えるなら

「やっぱり警備員はきつい」「自分には合わない」と感じた場合、警備業の経験を活かして別の道へ進むことも立派な選択です。

社内でのキャリアアップ

現場作業員から、班長・隊長といった現場リーダーへ。さらに、資格(警備員指導教育責任者)を取得して、本社で新人の教育や研修を行う「教育担当」や、現場の配置を決める「管制」などの内勤職へステップアップする道があります。内勤になれば体力的な負担は大幅に減ります。

警備業の経験が活きる転職先5選

①施設管理・ビルメンテナンス(ビルメン)
警備員と同じく建物を守る仕事ですが、こちらは設備の点検・管理がメインです。警備員時代の巡回経験や防災センターでの知識がそのまま活かせます。資格(電気工事士や危険物取扱者など)があれば、警備員より年収が高くなる傾向があります。

②マンション管理員
居住者対応や清掃、巡回を行います。警備員ほど体力を使わず、屋内の管理室での業務も多いため、シニア層の転職先として人気です。丁寧な言葉遣いや対応力が活きます。

③物流倉庫スタッフ
体を動かすことに慣れているなら、物流倉庫でのピッキングや軽作業も選択肢です。警備員で培った「規律を守る」「時間を守る」という姿勢は高く評価されます。

④自衛隊・警察官・消防士
若手であれば、公務員の公安職への転職も有力です。警備業で培った規律や体力、防犯意識は、面接での大きなアピールポイントになります。

⑤工場・製造業
24時間勤務や夜勤に慣れている場合、工場の交替勤務(2交替・3交替)への適応が早いです。製造業は警備業よりも平均年収が高いため、収入アップを狙いやすいルートです。

転職時のアピールポイント

  • 緊急時でも冷静に対応できる「危機管理能力」
  • 報告・連絡・相談を徹底できる「コンプライアンス意識」
  • 過酷な環境でも業務を遂行できる「忍耐力・体力」

8. まとめ──警備員の仕事と本気で向き合う前に知っておくこと

警備員の仕事は、社会の安全を守る尊い仕事であると同時に、体力と精神力を削られる過酷な側面を持っています。「楽そうだから」という安易な動機で始めると、早期離職につながりかねません。しかし、自分なりの目標ややりがいを見つけ、戦略的にキャリアを積めば、安定した生活基盤を築くことも十分に可能です。

まとめポイント

  • 警備員の仕事は「体力的・精神的なきつさ」が共存するリアルな仕事
  • きつさの原因は「長時間立ち仕事・夜勤・孤独感・低賃金」に集約される
  • 向いている人には「安定した収入・未経験採用」という大きなメリットもある
  • 資格取得と役職昇格で年収450〜500万円台も十分に目指せる
  • 合わない場合は早期に転職を検討するのが生涯賃金の観点から賢明
  • 警備業の経験はビルメン・物流・製造業など多くの職種で評価される

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よくある質問(FAQ)

Q1. 警備員の仕事は本当にきついですか?向いている人はどんな人ですか?

 「体力・孤独感・低賃金」という三重のきつさがあるのは事実です。一方で、「未経験OK・シフト自由・社会貢献」というメリットもあります。コツコツと同じ作業を継続できる人、一人の時間が苦にならない人には向いている仕事です。

Q2. 警備員の仕事で腰痛や足の病気になりますか?

 長時間の立ち仕事は足腰への負担が大きく、下肢静脈瘤や慢性的な腰痛、膝痛になる人は少なくありません。良質なインソールを使用する、勤務後にマッサージを行うなどのケアで予防することが重要です。

Q3. 警備員の仕事は夜勤なしで働けますか?

 可能です。施設警備の日勤専属や、交通誘導の日中作業など、夜勤なしの案件は存在します。ただし、深夜割増手当がつかない分、夜勤ありの場合よりも給料は下がる傾向にあります。

Q4. 警備員から年収500万円以上を目指せますか?

 簡単ではありませんが、不可能ではありません。警備業務検定1級や指導教育責任者資格を取得し、管理職へ昇格することで年収450〜500万円台は現実的です。また、待遇の良い大手警備会社へ転職するのも有効な手段です。

Q5. 警備員は何歳まで働けますか?

 体力次第ですが、60代・70代でも現役で活躍している人は多いです。特に施設の常駐型警備(座り仕事が含まれる現場など)であれば、高齢になっても続けやすい傾向があります。定年後の再雇用先としても一般的です。

Q6. 警備員の仕事を辞めたいと思ったら何をすればいいですか?

 「業種を変えるか」「会社を変えるか」「現場を変えるか」の3択で考えましょう。今の会社で現場異動を申し出るのも一つの手ですし、警備業自体が合わないなら異業種への転職を検討すべきです。まずは転職エージェントに相談し、客観的な意見を聞くのが第一歩です。

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