ホワイト→ブルーカラー転職の志望動機|添削例文5選

「志望動機に何を書けばいいのか、まったく手が止まってしまう」——事務職や営業職から、製造・建設・物流といった現場系の仕事へ移ろうとする人が、必ずと言っていいほどぶつかる壁です。

前職と同じ業界への転職なら、志望動機は書きやすい。「これまでの経験を活かして」と言えば筋が通るからです。しかし業界も職種も変える場合、活かせる経験の説明が難しく、かといって「未経験ですが頑張ります」では中身がない。結果として、多くの人が例文サイトを探し、そこに載っている文章を自分の言葉に置き換えて提出することになります。

そして、落ちます。

理由ははっきりしています。例文をなぞって書いた志望動機は、採用担当が確かめたい4つのことに、一つも答えていないからです。

この記事では、例文を並べる前に、採用側が志望動機で何を採点しているのかという「裏側の採点表」を明らかにします。そのうえで、志望動機を4つの層に分解して組み立てる方法をお伝えし、最後に前職別5パターンのNG→OK添削ビフォーアフターで、実際にどこを直せば通るようになるかを見ていきます。

読み終えたとき、あなたは例文を探す必要がなくなっているはずです。

目次

この記事の結論

  • 志望動機で見られるのは熱意ではなく、採点基準を満たすか。
  • 「転職理由→なぜ現場→なぜこの職種→なぜこの会社」の4層で作る。
  • NG表現を避け、前職経験を翻訳すれば説得力が出る。

志望動機で見られているのは「熱意」ではない

未経験採用における採用側のリスク

まず、採用する側の立場に立ってみます。

現場系の企業が未経験者を採用するとき、企業側が背負うリスクは明確です。教育コストをかけたのに、短期で辞められること。現場の仕事は、独り立ちまでに数か月から数年かかります。その間、指導する先輩の時間も消費します。3か月で辞められると、投資が丸ごと消えるのです。

だから採用担当が志望動機を読むとき、頭の中にある問いはひとつです。

「この人は、辞めないか」

熱意があるかどうかではありません。熱意は誰でも書けるからです。判断材料になるのは、辞めない理由が構造として組み込まれているかどうかです。

「頑張ります」が効かない理由

「未経験ですが、一日も早く戦力になれるよう頑張ります」という一文は、志望動機の定番です。しかし、この文が採用担当に与える情報量はゼロです。

なぜなら、頑張らないと宣言する応募者は存在しないからです。全員が書くことは、差にならない。差にならない情報を書くために貴重な行数を使うのは、もったいない話です。

その行を使って、「この人は辞めにくい」と読み取れる事実を書いてください。準備として何をしてきたか。年収低下をどう受け止め、どう備えたか。現場の労働環境をどこまで知ったうえで応募しているのか。これらはすべて、「辞めない理由」を構成する材料になります。

例文の丸写しが見抜かれる理由

採用担当は、同じ職種の志望動機を年間で数十から数百通読みます。その結果、例文サイトに載っている構文は、ほぼ全部見たことがあるという状態になります。

見抜かれる典型的なパターンは次の3つです。

  • 会社名を入れ替えれば他社にも使える文章になっている
  • 職種の説明が求人票の文言をそのまま言い換えただけ
  • 「ものづくりの現場で、自分の手で形にする喜びを」といった、どの製造業にも当てはまる表現

問題は「コピーが悪い」ということではありません。コピーで書ける内容には、あなた固有の情報が入っていないことが問題なのです。

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【独自】採用担当の採点表:志望動機で検証される4つの問い

未経験の現場転職において、採用側が志望動機を通して検証しているのは、次の4つです。この4つに答えている志望動機は通り、答えていないものは落ちます。

問い1:転職理由に一貫性があるか(=また同じ理由で辞めないか)

前職を辞める理由が、応募先で解消される構造になっているかを見ています。

たとえば「残業が多くて辞めたい」という理由で、繁忙期に残業が集中する現場職に応募すると、理由と選択が矛盾します。採用側は「この人は入社後に同じ不満を持つ」と判断します。

逆に「成果が形に残らないことに物足りなさを感じた」という理由なら、現場職はその不満を解消する構造を持っています。理由と選択がつながっているかどうかが、第一の関門です。

問い2:労働環境を理解したうえで来ているか

現場の仕事には、オフィスワークにはない負荷があります。夏の暑さ、冬の寒さ、立ち仕事、早朝勤務、交替勤務、繁忙期の休日出勤。

採用担当が最も警戒するのは、「イメージだけで応募してきた人」です。「ものづくりに憧れて」という動機自体は悪くありませんが、そこに労働環境への理解が伴っていないと、入社後3か月で現実に打ちのめされます。

志望動機の中に、「こういう厳しさがあると理解している」という記述が一行でも入っていると、評価は明確に変わります。

問い3:年収の変化を受け止められているか

未経験転職では、初年度に年収が下がることが多いのが実情です。ここを曖昧にしたまま入社すると、給与明細を見た瞬間にモチベーションが崩れます。

採用側は、この応募者が事前に生活設計をしているかを知りたがっています。志望動機や面接で「年収は一時的に下がると理解しており、家族とも話をしたうえで応募しています」と書けるかどうか。この一文の有無で、定着の見込みに対する印象は大きく変わります。

問い4:教わる姿勢があるか

未経験入社の場合、年下の先輩から教わる場面が必ず発生します。前職で役職に就いていた人ほど、ここでつまずくことがあります。

採用側は、プライドが学習の邪魔をしないかを見ています。前職の経験を強調しすぎる志望動機は、この点でマイナスに働くことがあります。「前職の経験は活きると考えているが、まずは現場のやり方を覚えることが最優先」という順序を明示できると安心されます。

採点表の使い方

書き上げた志望動機を、この4つの問いで自己採点してください。

問い答えている?該当する記述
1. 転職理由の一貫性□
2. 労働環境の理解□
3. 年収変化の受容□
4. 教わる姿勢□

4つすべてに該当箇所を書き出せない志望動機は、書き直しが必要です。

【独自】志望動機の4層構造

採点表に答えるための組み立て方を示します。志望動機は、次の4つの層でできています。上から順に、抽象から具体へ降りていきます。

層答える問い分量の目安
第1層なぜ転職するのか(前職の何が課題か)2〜3割
第2層なぜ現場系の仕事なのか2割
第3層なぜこの職種なのか2〜3割
第4層なぜこの会社なのか3割

多くの人は第1層と第2層だけで志望動機を終わらせます。だから「どこでもいい人」に見えるのです。

逆に、第4層に最も紙幅を割いている志望動機は、それだけで上位に入ります。理由は単純で、第4層はその会社について調べないと書けないからです。書けている時点で、行動している人だと分かります。

第1層:転職理由——「逃げ」をどう扱うか

逃げの動機を隠す必要はない

「今の仕事が嫌になった」というのが本音であるケースは、実際とても多い。ここで多くの人が、無理にポジティブな理由をでっち上げようとします。

しかし、取り繕った動機は不自然さとして伝わります。むしろ有効なのは、ネガティブな出発点を認めたうえで、そこから何を考えたかを見せることです。

NG例:

前職では成長を実感できず、新しい環境で自分を試したいと考えました。

これは、何も言っていません。

OK例:

前職では、営業として売上目標の達成に追われる日々でしたが、3年目あたりから、自分が何を積み上げているのかが分からなくなりました。商品知識は増えても、それは扱う商材が変われば使えなくなる知識です。年齢を重ねても価値が減らない技能を身につけたいと考えるようになり、資格と経験が積み上がる現場の仕事に目を向けました。

違いは「思考の過程が見えるか」です。後者は、不満から出発しながら、そこで何を考え、どう結論に至ったかが説明されています。これは他人には書けない、あなた固有の情報です。

使ってはいけない転職理由

  • 人間関係:本当の理由であっても、志望動機には書かないでください。「うちでも同じことが起きるのでは」と読まれます
  • 残業・休日への不満:現場系は繁忙期の負荷が高い職種も多く、矛盾します
  • 給与への不満:未経験転職では年収が下がるのが一般的なので、論理が破綻します

これらが本当の理由である場合は、その不満の一段深いところにある動機を探してください。たとえば「残業が多い」の下には「時間の使い方を自分でコントロールしたい」があるかもしれません。「給与が低い」の下には「評価の基準が不透明だった」があるかもしれません。後者なら、資格と技能で評価が決まる現場の仕組みと、きれいにつながります。

第2層:なぜ現場系の仕事なのか

ここは、「ものづくりが好き」「体を動かしたい」で終わらせないことが重要です。

説得力が出る3つの切り口

切り口A:積み上がるものの違い

前職で扱っていた知識は、商材が変われば通用しないものでした。一方、現場の技能や資格は、会社が変わっても、年数を重ねても価値が減りにくいと考えています。

切り口B:成果の可視性

企画職として資料を作る仕事をしてきましたが、その資料が実際に何を動かしたのか、最後まで確認できないまま次の案件に移ることが続きました。自分が関わったものが、目に見える形で残る仕事に移りたいと考えています。

切り口C:需要の構造

現場系の職種は、高齢化により技能継承が課題になっていると、ものづくり白書などの資料で知りました。人が減っていく一方で仕事は残る領域で、自分が担い手の側に回ることに意味があると考えています。

Cは特に効果的です。理由は、業界の課題を調べたうえで応募していることが伝わるからです。ただし、調べた事実を正確に引用することが前提です。曖昧な引用は逆効果になります。

労働環境への理解を、この層に埋め込む

採点表の問い2に答える場所が、ここです。

屋外での作業が中心となるため、夏場の暑さや冬場の寒さは相応に厳しいと理解しています。現場見学の際に伺った、真夏は朝の作業開始を早めるといった運用についても説明を受け、そのうえで応募しています。

この一段落があるだけで、「イメージで来た人」ではなくなります。

第3層:なぜこの職種なのか

現場系の中にも、製造・建設・物流・設備と幅広い職種があります。なぜその中でこの職種を選んだのかを説明できないと、志望度が浅く見えます。

職種選択の理由に使える3つの軸

軸1:前職の作業との接続

前職でやっていた作業を分解し、その職種の業務と重なる部分を指摘します。

前職では、複数の協力会社の日程を調整し、遅延の兆候を早めに察知して手を打つという仕事を7年続けてきました。施工管理の業務内容を調べたところ、工程調整と関係者の折衝が業務の中心にあると理解し、これまでの経験と最も接続する職種だと考えました。

軸2:技能の積み上がり方

溶接は、材質や板厚、姿勢によって難易度が変わり、経験を積むほど任される範囲が広がると伺いました。短期間で覚えられる仕事ではないぶん、続けた年数が価値になる点に魅力を感じています。

軸3:資格による道筋の明確さ

設備管理を志望したのは、第二種電気工事士、危険物取扱者、冷凍機械責任者と、段階的に資格を取得することでできる業務が広がる構造が明確だからです。何を勉強すれば次に進めるかが分かる環境で働きたいと考えています。

職種研究が浅いと露呈する場所

面接で「その職種の一日の流れをご存じですか」と聞かれることがあります。ここで答えられないと、志望動機が机上のものだったと判断されます。

最低限、次の3つは調べておいてください。

  1. その職種の一日のおおまかな流れ
  2. 未経験入社から独り立ちまでの一般的な期間
  3. その職種で必要になる主要な資格

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、職種ごとの仕事内容・必要なスキル・関連する資格を確認できます。無料で使える公的な情報源なので、活用してください。

第4層:なぜこの会社なのか——ここで差がつく

「企業理念に共感しました」が効かない理由

企業理念やホームページの文言を引用した志望動機は、同じ会社に応募した他の候補者も同じ場所を見ているため、差になりません。

差がつくのは、あなたにしかアクセスできない情報を使ったときです。

第4層に使える情報源

情報源得られること難易度
職場見学現場の雰囲気、設備の状態、働く人の様子依頼すれば多くの場合可能
求人票の細部教育期間、資格支援の中身、勤務体系誰でも見られるが、読み込む人は少ない
施工実績・製品情報何を作っている会社か、得意分野は何か会社サイトで確認可能
業界内での位置づけ元請か下請か、取引先の構成調べるとある程度分かる
採用担当との会話教育方針、求める人物像問い合わせで得られる

実際の書き方(職場見学を使う場合)

応募にあたり、御社の現場を見学させていただきました。印象に残ったのは、朝礼での安全確認が形式的な読み上げではなく、その日の作業内容に即して具体的に行われていた点です。未経験で入る立場としては、危険の所在を言葉にして共有する文化があることが、何より重要だと感じました。

職場見学ができない場合

求人票を拝見し、未経験入社の方が独り立ちするまでの期間を2年と明記されている点に注目しました。多くの求人が「未経験歓迎」とだけ記載するなか、育成にかかる期間を具体的に示されているということは、教育を体系的に行っておられるのだと受け止めました。

求人票を丁寧に読むだけでも、第4層は書けます。多くの応募者が読み飛ばしている部分に言及することが、そのまま差別化になります。

【添削】前職別ビフォーアフター5パターン

実際の書き換え例を見ていきます。いずれも一般的な想定例です。

パターン1:法人営業 → 施工管理

Before(NG)

前職では法人営業として3年間勤務しました。ノルマに追われる日々の中で、もっと形に残る仕事がしたいと考えるようになりました。御社は地域に根ざした施工実績が豊富で、企業理念にも共感しました。未経験ですが、持ち前の体力とコミュニケーション能力を活かして、一日も早く戦力になれるよう頑張ります。

問題点:転職理由が「ノルマが嫌」に読める(問い1×)/労働環境への言及なし(問い2×)/年収への言及なし(問い3×)/「戦力になる」が先に来て、学ぶ姿勢が見えない(問い4×)/第4層が理念への共感のみ

After(OK)

前職では法人営業として、機器の販売から設置工事の日程調整までを担当していました。7年間で最も手応えを感じたのは、施工業者・メーカー・顧客の三者の予定を組み合わせ、遅延を防ぐ段取りの部分でした。一方で、営業という立場では、実際に工事がどう進むのかを最後まで見届けられないことが多く、その手前で終わる仕事に物足りなさを感じるようになりました。

施工管理を志望するのは、この「段取りで物事を前に進める」という仕事の中心に立てるからです。工程管理と関係者との折衝が業務の核であると理解しており、前職で並行して月8件の案件を管理してきた経験は、形を変えて活かせると考えています。

御社の現場を見学させていただいた際、朝礼での安全確認が作業内容に即して具体的に行われている点が印象に残りました。未経験で入る立場としては、危険の所在が言語化されている環境であることを重視しています。

屋外作業が中心となり、工期が逼迫する時期の負荷が高いことも伺いました。年収も当面は前職より下がると理解しており、家族とも合意のうえで応募しています。まずは図面の読み方から、現場のやり方を教わることに専念したいと考えています。

パターン2:一般事務 → 製造オペレーター

Before(NG)

デスクワークが中心の仕事に飽きてしまい、体を動かす仕事がしたいと思いました。ものづくりに興味があり、自分の手で製品を作る喜びを感じたいです。

After(OK)

前職では受発注の事務処理を担当し、伝票の入力と在庫データの管理を5年間続けてきました。この数年でシステム化が進み、自分がやってきた作業の多くが自動化されていく過程を目の当たりにしました。この経験から、時間をかけて身につけたことが、年数とともに価値になる仕事に移りたいと考えるようになりました。

製造職の中でも、御社のように少量多品種の加工を手がけられている環境を志望したのは、段取り替えや寸法の判断まで担当できると伺ったためです。同じ作業の反復ではなく、判断を含む技能を積み上げたいと考えています。

立ち仕事が中心となり、切削油や金属粉のある環境での作業になることは理解しています。現在、危険物取扱者乙種4類の学習を進めており、入社後は機械保全技能士の取得も目指したいと考えています。前職で身につけたデータ管理の習慣は、加工条件や測定値の記録に役立てられればと思いますが、まずは機械の扱いを一から教えていただくつもりです。

パターン3:企画職 → 生産管理

Before(NG)

企画職として培った分析力とマネジメント経験を活かし、御社の生産性向上に貢献したいと考えております。

問題点:これは経験者の書き方です。未経験なのに「貢献する」から入ると、問い4(教わる姿勢)で減点されます。

After(OK)

前職では商品企画として、販売データの分析と、複数部署をまたぐ施策の進行管理を担当していました。業務の中で最も自分に合っていたのは、各部署の状況を把握して、遅れが出そうな箇所に先回りして手を打つ部分でした。

一方で、企画という立場では実際にモノが作られる過程を知らないまま数字だけを扱っており、判断の根拠が薄いという自覚がありました。生産管理を志望するのは、需要予測と生産計画という数字の仕事でありながら、実際の製造現場と接した位置にあるからです。

御社の求人票で、生産管理担当が製造現場の朝会に毎日参加される体制と記載されていた点に注目しました。数字だけで判断するのではなく、現場の状況を自分の目で見たうえで計画を立てられる環境だと理解しています。

未経験のため、まずは工程と設備の実際を覚えることが最優先だと考えています。前職の分析経験が活かせる場面もあるかとは思いますが、それは現場を理解したあとの話だと認識しています。

パターン4:販売・接客 → 物流ドライバー

Before(NG)

接客業で培ったコミュニケーション能力を活かし、お客様に信頼されるドライバーを目指します。運転が好きなので、長時間の運転も苦になりません。

After(OK)

前職では店舗販売として、接客と在庫管理を担当していました。閉店後に翌日の納品を確認する作業を毎日続けるなかで、店舗に商品が届く裏側の流れに関心を持つようになりました。

物流を志望するのは、この「モノが確実に届く」ことを支える側に回りたいと考えたためです。御社は配送エリアが限定されており、同じ配送先を継続して担当する体制と伺いました。単に運ぶだけでなく、届け先との関係を積み重ねられる働き方に魅力を感じています。

早朝からの勤務となり、荷降ろしを含めた身体的な負荷があることは理解しています。現在、中型自動車免許の取得に向けて教習所に通っており、入社時期に合わせて取得予定です。前職の在庫管理の経験から、積載の順序や配送ルートの組み立てにも関心があり、将来的には配車業務にも関われればと考えています。

パターン5:ITサポート → 設備保全

Before(NG)

IT業界で培ったトラブルシューティング能力を、設備保全の分野でも発揮できると考えています。

After(OK)

前職では社内のITヘルプデスクとして、機器の不具合対応と定期的な点検を担当していました。障害が起きたときに、症状から原因を切り分けて復旧させるという仕事の進め方は、5年続けて自分に合っていると感じています。

設備保全を志望するのは、この「止まったものを直す」「止まらないように保つ」という仕事の構造が共通していると考えたためです。加えて、対象がソフトウェアではなく物理的な設備であることで、資格という形で技能が可視化される点にも魅力を感じています。

御社は食品工場の保全を担当されており、24時間稼働のラインを支える体制と伺いました。夜間の緊急対応が発生することも含めて理解したうえで応募しています。

現在、第二種電気工事士の学習を進めており、入社後は機械保全技能士の取得を目指したいと考えています。前職で身につけた「対応の記録を残す」習慣は保全の履歴管理にも通じると思いますが、まずは設備の名称と構造を覚えることから始めるつもりです。

書類と面接で、伝え方を変える

同じ内容でも、書類と面接では構成を変えるべきです。

書類(履歴書・職務経歴書)

  • 300〜400字程度にまとめる
  • 4層をすべて含めるが、第4層に最も紙幅を割く
  • 読み手がざっと目を通す前提で、最初の2行で結論を示す

面接(口頭)

  • 1分程度で話せる長さにする(およそ300字)
  • 書類より簡潔にし、深掘りされる余地を残す
  • 全部を詰め込まず、面接官が「それはどういうことですか」と聞きたくなる部分を作る

面接では、志望動機を語り終えたあとに必ず深掘りの質問が来ます。そのときに、書類には書かなかった具体的なエピソードを出せると、一気に説得力が増します。

逆に言えば、書類にすべてを書き切ってしまうと、面接で話すことがなくなります。

志望動機でやりがちなNG表現10選

NG表現なぜダメか言い換えの方向
「一日も早く戦力になります」未経験者には現実的でなく、学ぶ姿勢が見えない「まず◯◯を覚えることに専念したい」
「体力には自信があります」誰でも言える。根拠がない具体的な事実(通勤・運動習慣)で示す
「手に職をつけたい」どの技能かが不明目指す資格・技能を具体名で挙げる
「安定していると思ったので」受け身に聞こえる需要が続く構造を自分の言葉で説明する
「人と関わる仕事がしたい」現場職の選択理由として弱い職人・協力会社との調整など具体場面に落とす
「御社の理念に共感しました」誰でも書ける見学・求人票の具体的な記述に言及する
「ノルマがきつくて」逃避と読まれる一段深い動機(積み上がるものが欲しい等)に置き換える
「未経験ですが頑張ります」情報量ゼロその行を準備の実績で埋める
「前職の経験を活かして貢献します」経験者の言い方。順序が逆「まず覚える、そのうえで活かせる部分がある」
「将来は独立も考えています」早期離職を連想させる社内でのキャリアパスに言及する

志望動機から逆算する事前準備

良い志望動機は、書く技術ではなく、書ける材料を集めたかどうかで決まります。応募前にやるべきことを整理します。

準備1:職場見学を依頼する

第4層の材料が最も多く手に入る方法です。選考プロセスに組み込まれていない場合も、「入社後のイメージを持ちたいので、可能であれば見学させていただけますか」と依頼して問題ありません。

見学で見るべきポイント:設備の新しさと整備状態/整理整頓の程度/働いている人の年齢構成/作業中の声かけの有無/休憩スペースの状態。

準備2:資格の学習を始める

「学習中である」という事実は、志望動機の中で最も強い材料の一つです。取得済みである必要はありません。

準備3:job tagで職種を調べる

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、職種ごとの業務内容・必要なスキル・関連資格・就業者の統計を確認できます。第3層を書く際の土台になります。

準備4:年収の相場を確認する

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」で、志望する職種・年齢層の賃金水準を確認してください。相場を知ったうえで応募していると示せることは、問い3(年収変化の受容)に対する直接の回答になります。

準備5:家族と話す

問い3に答えるためには、実際に家族との合意が必要です。面接では踏み込んで聞かれることもあるため、話していない状態で「合意しています」と言うのは避けてください。

よくある誤解 vs 実際

誤解1「志望動機は熱意を伝える場所だ」

実際:定着の見込みを示す場所です。

熱意は前提であって、差別化要因ではありません。志望動機で伝えるべきは「この人は辞めにくい」という判断材料です。

誤解2「未経験だから、前職の話はしないほうがいい」

実際:前職の話は必須です。ただし“翻訳”して話す必要があります。

前職の経験を語らないと、あなたが何者なのかが伝わりません。重要なのは、前職の実績をそのまま語るのではなく、応募先の業務に対応する形に置き換えることです。

誤解3「志望動機さえ良ければ受かる」

実際:志望動機は「落ちない」ための条件であって、「受かる」ための条件ではありません。

未経験採用で最終的に評価されるのは、志望動機の完成度よりも、面接での受け答えの一貫性、質問への反応、そして準備の実績です。志望動機は、それらすべてを束ねる骨格として機能します。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 志望動機は何文字くらいが適切ですか。

履歴書の志望動機欄なら200〜300字、職務経歴書に別途記載する場合は300〜400字が目安です。面接で口頭で述べる場合は、1分程度(およそ300字)に収めてください。それ以上長くなると、聞き手の集中が切れます。長さより、4層がすべて含まれているかを優先してください。

Q2. 複数社に応募する場合、志望動機は使い回してよいですか。

第1層(転職理由)と第2層(なぜ現場か)は共通で構いません。第3層と第4層は、必ず会社ごとに書き分けてください。特に第4層を使い回すと、その会社を選んだ理由がないことが明白になります。実務上は、第1層・第2層をテンプレートとして持ち、応募のたびに第3層・第4層を書き足す進め方が効率的です。

Q3. 前職を短期間で辞めている場合、志望動機にどう影響しますか。

短期離職の経歴は、問い1(また辞めないか)に直接関わるため、必ず触れられます。志望動機の中で先に説明しておくのが有効です。「前職は◯か月で退職しましたが、その経験から自分に合う仕事の条件が明確になりました」というかたちで、次に活きた学びとして位置づけると、印象が変わります。隠すと、面接で必ず追及されます。

Q4. 志望動機に「年収が下がることを理解している」と書くと、意欲が低く見えませんか。

見えません。むしろ逆です。採用側が最も懸念するのは、年収低下を理解しないまま入社して、給与明細を見て不満を持つケースです。理解したうえで応募していると明示することは、定着の見込みを高める材料として受け取られます。ただし、「下がっても構いません」という投げやりな書き方ではなく、「理解したうえで、こう備えている」という説明にしてください。

Q5. 面接で志望動機を深掘りされたとき、どう答えればよいですか。

深掘りは、志望動機の中で最も具体性の低い部分に向かって来ます。書く段階で「ここは突っ込まれそうだ」と分かる箇所には、あらかじめエピソードを1つ用意しておいてください。答えられない質問が来た場合は、取り繕わずに「そこまでは調べられていませんでした」と認めたうえで、「入社後に確認したい点として認識します」と続けるほうが、印象を損ないません。

Q6. どうしても志望動機が書けないときは、どうすればよいですか。

書けない理由は、たいてい「材料がない」ことです。文章術の問題ではありません。その場合は書く手を止めて、準備に戻ってください。職場見学を依頼する、job tagでその職種を調べる、資格の学習を始める——材料が増えれば、志望動機は自然に書けるようになります。それでも書けない場合は、その職種・その会社を本当に志望しているのかを、一度立ち止まって考え直す機会かもしれません。

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この記事を書いた人

ブルキャリ編集部です。工場・建設・警備・ドライバーなど、ブルーカラー職のキャリア情報を発信しています。
公的統計・法令・企業の公表資料など、誰でも確かめられる一次情報にあたることをルールにしています。記事中で参照した出典は、可能な限り明示しています。

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