「電気工事士になるには」と検索すると、多くの記事が同じ2つのルートを示します。資格を取ってから就職するか、就職してから働きながら資格を取るか。この2択です。
ただ、この2択は主に学生を想定した整理になっています。在職中の社会人が本当に知りたいのは、もう少し手前の問題です。いつ今の仕事を辞めるのか。無収入の期間をどう乗り切るのか。学費や教材費をどこから出すのか。ここが決まらないと、ルートは選べません。
そして、この問題に対して有効なのに、ほとんどの記事が触れていない第3のルートがあります。公共職業訓練(ハロートレーニング)です。授業料は原則無料で、雇用保険の受給資格があれば失業給付を受けながら通えます。さらに、一部の訓練校は電気工事士法に定められた養成施設に指定されており、所定の課程を修了すれば試験を受けずに第二種電気工事士の免状を取得できる道もあります。
この記事では、電気工事士になるための情報を一通り押さえたうえで、この第3のルートと、社会人が収入・期間・費用の観点からルートを選ぶ方法を加えます。あわせて、意外と知られていない「試験に合格しただけでは資格者にならない」という免状交付の手続きまで、順を追って説明します。
電気工事士とは──無資格では作業できない業務独占資格
資格がなければ、その作業をしてはいけない
電気工事士は国家資格であり、かつ業務独占資格です。電気工事士法により、一定の電気工事は有資格者でなければ行ってはならないと定められています。
これは「持っていると有利」という種類の資格ではありません。持っていなければ、その作業自体ができないという資格です。無資格者が該当する工事を行えば法令違反となり、罰則の対象になります。
この性質が、この職種の安定性を支えています。誰でもできる仕事ではないため、有資格者には常に一定の需要があります。
なぜ資格が必要とされるのか
理由は安全です。電気工事の不備は、感電事故や火災に直結します。分電盤の接続、配線の被覆処理、アース工事。いずれも、施工が不適切であれば建物と人命に関わります。
だからこそ国家資格として管理され、試験では知識だけでなく実際の作業(技能試験)まで問われます。
未経験からでも目指せる理由
重要な点を先に書いておきます。第二種電気工事士の試験には受験資格がありません。年齢・学歴・職歴・実務経験を問わず、誰でも受験できます。
「経験がないと資格が取れない、資格がないと就職できない」という循環が、この職種には存在しません。これが未経験から目指せる最大の理由です。
資格の種類と違い
電気工事士に関わる資格を整理します。
第二種電気工事士
一般用電気工作物(一般住宅や小規模な店舗など、600V以下で受電する設備)の工事を行える資格です。
未経験からまず目指すのはこれです。受験資格がなく、住宅・店舗の工事という求人の多い領域をカバーできます。
第一種電気工事士
第二種の範囲に加えて、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の工場やビルなど)の工事を扱えます。担当できる現場の規模が広がり、待遇にも反映されやすくなります。
注意点として、第一種は試験に合格しただけでは免状が交付されません。一定の実務経験が必要とされています。つまり、現場で働きながら経験を積むことが前提の資格です。要件の詳細は各都道府県の担当窓口および試験実施機関でご確認ください。
認定電気工事従事者
第二種電気工事士の資格保有者などが、自家用電気工作物のうち一定範囲(低圧部分)の工事を行えるようになる資格です。第一種に進む前の中間段階として位置づけられます。
電気主任技術者(第三種など)
工事を行う資格ではなく、電気設備の保安の監督を行う資格です。ビルメンテナンスや設備管理の方面に進む場合に価値が高まります。
まとめると
| 資格 | 扱える範囲 | 受験資格 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物(住宅・小規模店舗など) | なし(誰でも受験可) | 未経験者の入り口 |
| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物の低圧部分 | 第二種取得者などが対象 | 中間段階 |
| 第一種電気工事士 | 自家用電気工作物(500kW未満) | 試験は誰でも可/免状交付に実務経験が必要 | 現場の主力 |
| 電気主任技術者 | 保安の監督 | なし(第三種の場合) | 設備管理方面 |
【ルートA】資格を取ってから就職する
競合記事で最も多く紹介されているルートです。
方法は独学と専門学校
独学の場合、市販のテキストと過去問題集で学科試験に対応し、技能試験は工具セットと練習用材料を購入して候補問題を反復練習します。費用は受験手数料と教材・工具代で、まとまった額にはなりますが学費に比べれば小さく収まります。
専門学校の場合、体系的なカリキュラムと実習環境が用意されます。就職支援を受けられる学校もあります。一方、学費がかかり、通学期間中の収入をどうするかという問題が生じます。
このルートの利点
基礎知識を持った状態で現場に入れる。図面記号、工具の名称、電気の基礎理論を理解していると、入社後の吸収が速くなります。
応募できる求人が広がる。「要第二種電気工事士」と明記された求人にも応募できます。
書類選考での説得力。特に30代後半以降では、「すでに時間と費用を投じた」という事実が本気度の証明になります。
このルートの課題
資格取得まで収入が発生しない期間が生じる可能性がある。在職中に取得できれば問題ありませんが、退職して勉強に専念する場合はここが最大の論点です。
技能試験の練習環境を自分で用意する必要がある。工具と材料を自費で揃え、独りで練習することになります。独学で最も苦労するのがここです。
試験が年2回のため、タイミングによっては半年近く待つ。試験直後に思い立った場合、次の受験機会まで時間が空きます。
【ルートB】就職してから働きながら資格を取る
未経験可の求人に応募して先に入社し、働きながら資格取得を目指すルートです。
このルートの利点
収入が途切れない。これが最大の利点です。生活を維持しながら準備できます。
実務経験のカウントが早く始まる。第一種の免状交付に必要な実務経験は、現場に出た日から積み上がります。資格取得を待つ期間は、この意味では止まっている時間です。
技能試験の練習環境が職場にある。工具も材料もあり、先輩に見てもらえます。独学の最大の難所が解消されます。
現場の言葉が分かった状態で勉強できる。学科試験には工具や材料の名称が出てきます。毎日触れているものであれば、暗記の負担が大きく減ります。
費用を会社が負担してくれる場合がある。受験手数料、テキスト代、工具・練習材料費まで会社負担という制度は珍しくありません。
このルートの課題
仕事を覚えながらの勉強になる。入社直後は覚えることが多く、体力的にも消耗します。この時期に勉強時間を確保するのは簡単ではありません。
応募できる求人が限られる。「未経験歓迎・資格取得支援あり」の求人に絞られます。
会社によって支援の中身に差がある。「資格取得支援あり」と書いていても、費用の一部だけ、受験日は有給消化、というケースもあります。
【独自】【ルートC】公共職業訓練という第3の道
ここからが、他の記事がほとんど扱っていない部分です。
ハロートレーニング(公共職業訓練)とは
国や都道府県が実施する職業訓練制度です。ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)や各都道府県の職業能力開発校などで、電気設備科・電気工事科・電気設備技術科といったコースが設けられています。
訓練期間は6か月・7か月・1年など、コースによって異なります。実習設備を使って、配線工事の基礎から実技まで体系的に学べます。
費用と収入の面での利点
このルートの最大の特徴は、経済面です。
授業料は原則無料で、テキスト代・材料費のみ自己負担となります。専門学校の学費と比べると、負担は大きく下がります。
さらに、雇用保険の受給資格がある場合、訓練期間中も失業給付を受けながら通える仕組みがあります。条件を満たせば、受講手当や通所手当が支給される場合もあります。つまり、収入を確保しながら、学費をほぼかけずに学べる可能性があるということです。
ルートAの最大の課題(無収入期間と学費)が、ここで解消されます。
さらに重要な点:試験免除の道がある
もうひとつ、知られていない事実があります。
電気工事士法では、経済産業大臣が指定する「養成施設」の課程を修めた者は、試験を経ずに第二種電気工事士の免状交付を受けられる仕組みがあります。そして、一部の職業訓練校はこの養成施設に指定されています。
たとえば1年課程の電気工事科を持つ訓練校の中には、経済産業省から電気工事士法に定められた養成施設の指定を受けており、法令で定められた時間数を出席し、修了試験に合格して、修了後に申請することで第二種電気工事士の免状を取得できるとしているところがあります。
これは、試験の合否リスクを負わずに免状を得られる道があるということです。技能試験に不安がある人にとっては、大きな意味を持ちます。
ただし、確認が必要
重要な注意点があります。すべての職業訓練校・すべてのコースが養成施設に指定されているわけではありません。
多くのコースは「訓練の中で第二種電気工事士の受験対策を行う」という位置づけで、資格取得自体は通常どおり試験を受ける形です。試験免除の対象になるのは、養成施設の指定を受けた特定の課程に限られます。
したがって、次の点を必ず各校に直接確認してください。
そのコースは電気工事士養成施設の指定を受けているか。
修了により免状の取得が可能か、それとも受験対策のコースか。
訓練期間と入校時期、定員、選考方法。(1年課程は4月入校で定員が限られることがあります)
受講中の失業給付や各種手当の対象になるか。
このルートの課題
入校時期が限られる。特に1年課程は年1回の入校が一般的で、思い立ってすぐ始められるとは限りません。
選考がある。定員があるため、面接や筆記による選考が行われます。
訓練期間中は就職していない状態が続く。6か月から1年という期間を、キャリアの空白としてどう説明するかは考えておく必要があります(ただし、職業訓練の受講は前向きな理由として説明できます)。
居住地によって開講コースが異なる。近隣に電気系のコースがない場合もあります。
まずやること
最寄りのハローワークで相談してください。訓練コースの一覧、次回の入校時期、失業給付との関係、選考の内容まで、まとめて確認できます。在職中でも相談は可能です。
【独自】社会人はどのルートを選ぶべきか──収入・期間・費用で比較する
3つのルートを、社会人の判断材料で並べます。
| 項目 | ルートA:先に資格 | ルートB:先に就職 | ルートC:職業訓練 |
|---|---|---|---|
| 収入 | 在職中なら維持/退職なら途切れる | 途切れない | 失業給付を受けられる場合あり |
| 費用 | 教材・工具・受験料(独学)/学費(専門学校) | 会社負担の場合あり | 授業料は原則無料(教材・材料費は自己負担) |
| 期間 | 2〜5か月(独学の場合の目安) | 入社後6か月〜1年で受験 | 6か月〜1年 |
| 技能試験の練習環境 | 自分で用意 | 職場にある | 訓練校にある |
| 開始タイミング | いつでも | いつでも | 入校時期に限られる |
| 実務経験の開始 | 資格取得後 | 即日 | 修了後 |
判断の目安
在職中で、勉強時間を確保できるなら → ルートA(在職しながら独学)
収入が途切れず、資格を持った状態で応募できます。最もリスクが小さい選択です。次の試験まで3か月以内なら、特に有利です。
すでに離職している、または離職が決まっているなら → ルートCを最優先で検討
失業給付を受けながら無料で学べる可能性があります。ハローワークでの相談は必須です。試験免除の養成施設コースがあれば、さらに有力になります。
早く現場に出たい、収入を落としたくないなら → ルートB
実務経験のカウントも即日始まります。ただし、資格取得支援の中身を入社前に必ず確認してください。受験料・工具・練習材料費の負担範囲と、受験日の勤務扱いの有無です。
40代以降で書類選考の通過率が不安なら → ルートAまたはC
資格を持った状態で応募することで、年齢のハンデを相殺しやすくなります。
技能試験に不安が強いなら → ルートCの養成施設コース、またはルートB
どちらも練習環境が用意されています。独学で工具を揃えて独りで練習するのが最も難易度が高い方法です。
最も避けたいパターン
「資格を取ってから」と考えたまま、何も始めずに時間だけが過ぎること。
試験は年2回です。「次の試験にしよう」と先送りすると、半年単位で時間が失われます。その間、実務経験は1日も積み上がりません。
どのルートを選ぶにせよ、まず次の試験日と、最寄りの職業訓練コースの入校時期を調べてください。この2つの日付が分かれば、逆算して決められます。
試験の概要と難易度
試験は年2回、2段階
第二種電気工事士試験は上期・下期の年2回実施され、それぞれ学科試験と技能試験の2段階で構成されます。
学科試験:電圧・電流・抵抗・電力を求める基礎的な計算、工具や材料の選択、配線図の読み取りなどが出題されます。
技能試験:支給された材料を使い、あらかじめ公表されている候補問題に基づいて実際に配線作業を行います。制限時間内に、欠陥のない状態で完成させる必要があります。
合格率
一般財団法人電気技術者試験センターが公表しているデータをもとにすると、2026年度上期試験では、学科試験の受験者数78,290名に対し合格率62.2%、技能試験の受験者58,393名に対し合格率73.4%でした。過去7年の平均では、学科がおよそ60%、技能がおよそ71%とされています。
6〜7割が合格する試験であり、国家資格としては取り組みやすい部類です。
勉強時間の目安
独学の場合、一般に100〜200時間程度とされています。工事士.comの調査では、試験対策に要した勉強期間はおよそ1〜3か月、未経験者の勉強時間はおよそ50〜150時間という結果も示されています。
学科は過去問題の反復が有効です。技能は、候補問題を実際に手を動かして複数回作ることが必須になります。
費用
受験手数料は、インターネット申込みで11,100円、書面申込みで12,500円(いずれも非課税)です。これに加えて、テキスト代、技能試験用の工具セット、練習用材料の費用がかかります。
申し込みから免状交付までの4ステップ
ここは、意外と誤解されている部分です。試験に合格しただけでは、電気工事士にはなれません。
ステップ1:受験申し込み
電気技術者試験センターの案内に従い、上期または下期の試験に申し込みます。インターネット申込みと書面申込みがあり、手数料が異なります。申込期間は限られているため、逃さないよう注意してください。
ステップ2:学科試験
会場での筆記、またはCBT方式で受験します。合格すると技能試験に進みます。なお、一定の要件を満たす場合には学科試験が免除される制度もあります。
ステップ3:技能試験
工具は自分で持参します。支給された材料を使い、制限時間内に課題を完成させます。
ステップ4:免状交付申請
ここが最も見落とされるステップです。
技能試験に合格しても、それだけでは資格者になりません。住所地の都道府県知事に対して免状交付の申請を行い、免状が交付されて初めて電気工事士として作業ができます。
申請には、合格通知書、申請書、写真、手数料などが必要です。手続きの窓口と必要書類は都道府県によって異なるため、お住まいの都道府県の担当窓口でご確認ください。
なお、履歴書に書く際も、「合格」と「免状取得」は意味が異なります。選考の場で誤解が生じないよう、正確に記載してください。
高校生・学生から目指す場合
社会人以外のルートも整理しておきます。
工業高校
電気科・電気工事科などがある工業高校では、カリキュラムの中で第二種電気工事士の対策が組まれていることが多く、在学中に合格する生徒が多数います。実習設備が整っており、技能試験の練習環境という点で有利です。
第二種電気工事士の試験には受験資格がないため、高校生でも受験できます。
専門学校・職業能力開発校
電気工事や電気設備を専門に学ぶ課程があります。学校によっては養成施設の指定を受けており、卒業により免状取得が可能な場合があります。就職支援を受けられる点も利点です。
大学
電気系の学科を卒業した場合、第一種電気工事士の免状交付に必要な実務経験年数が短縮されるなど、要件面で有利になる場合があります。詳細は試験実施機関および都道府県の窓口でご確認ください。
将来性とキャリアパス
需要が減りにくい構造
電気設備は、住宅、ビル、工場、学校、病院、鉄道、道路など、あらゆる建物と社会インフラに存在します。新築工事だけでなく、既存設備の改修・更新の需要が継続的に発生します。
加えて、設備の高度化、再生可能エネルギー関連の工事、EV充電設備の設置など、新しい需要も生まれています。一方で、技術者の高齢化により担い手は不足傾向にあります。
現場の作業は自動化しにくい
建物ごとに条件が異なり、狭所や高所での手作業が必要になるため、機械に置き換えることが難しい領域です。図面どおりにいかない現場での判断も求められます。
キャリアの進み方
一般的な流れは次のとおりです。
入社〜1年:先輩の補助として現場を経験。第二種電気工事士を取得。
1〜3年:有資格者として単独で作業を担当。図面を読み、段取りを組めるようになる。
3〜5年:第一種電気工事士の取得が視野に入る(免状交付には実務経験が必要)。職長として複数人を動かす立場も。
5年以降:現場責任者、電気工事施工管理、電気主任技術者を取得して設備管理へ、あるいは独立。
年収は勤続年数より「資格と役割」で上がる構造です。これは、年齢的に出遅れている未経験者にとって有利な性質と言えます。
年収の目安
求人・転職サービスの記事では、電気工事士の平均年収として577万円前後といった数値が挙げられることがあります。ただし、この種の数値は経験年数の長い有資格者を含む平均であり、未経験1年目の年収とは一致しません。
未経験入社の初年度は、基本給が未経験水準で、資格手当がなく、賞与も満額支給されないため、低くなるのが一般的です。前職がオフィスワークの場合、初年度に一時的な減収を見込んでおくのが現実的です。生活費の3〜6か月分を確保しておくことをおすすめします。
その後、第二種・第一種・電気主任技術者と資格が積み上がるにつれて手当が加算され、職長や施工管理といった役割の変化でさらに変わります。
正確な統計値は、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」および「賃金構造基本統計調査」でご確認ください。これらは調査年ごとに更新されます。
会社選びのポイント
未経験で入る場合、会社選びが定着を左右します。
①資格取得支援の具体的な中身
「支援あり」だけでは不十分です。受験手数料、テキスト代、技能試験用の工具・練習材料費のどこまでが会社負担か。受験日や講習日は勤務扱いか。合格時に手当や一時金はあるか。ここまで確認してください。
技能試験の練習材料は複数回分を揃えるとまとまった額になるため、負担の有無は実質的な差になります。
②教育体制
「入社後、誰に付いて仕事を覚えることになりますか」「その方は同じ現場にいますか」と質問してください。相談できる相手が別現場にいる状況では、最初の半年が非常にきつくなります。
③手がけている工事の種類
新築工事が中心か、改修・メンテナンスが中心か、設備管理が中心かによって、働き方も生活も変わります。新築は屋外・半屋外の作業が多く工期の波があり、改修は1日に複数現場を回り居住者との対面が発生し、設備管理は建物内で天候の影響を受けにくくなります。
「新築と改修の比率はどのくらいですか」「1日に何件の現場を回りますか」と聞けば判別できます。
④労働時間と休日の実態
建設業には2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されており、原則月45時間・年360時間、特別条項付きでも年720時間以内という枠組みになっています。ただし規制の存在と各社の遵守状況は別です。36協定の特別条項の設定時間と年間休日数を具体的に確認してください。
⑤定着状況
「直近3年で未経験入社した方は何人で、今何人残っていますか」。数字で答えられる会社は、人材の管理ができています。
よくある質問(FAQ)
電気工事士になるには、まず何をすればいいですか?
最初にやるべきは、次の第二種電気工事士試験の日程と、最寄りの公共職業訓練コースの入校時期の2つを調べることです。この2つの日付が分かれば、①在職中に独学で取得する ②先に就職して働きながら取る ③職業訓練に通う、のどれを選ぶかを逆算して決められます。試験は年2回なので、思い立った時期によって最適なルートが変わります。ハローワークでは訓練コースの相談が在職中でも可能です。
職業訓練で電気工事士の資格は取れますか?
多くのコースは「訓練の中で第二種電気工事士の受験対策を行う」という位置づけで、資格取得は通常どおり試験を受ける形です。ただし、一部の訓練校は電気工事士法に定められた養成施設の指定を受けており、所定の時間数を出席し修了試験に合格して申請することで、試験を経ずに第二種電気工事士の免状を取得できる課程もあります。すべての訓練校・コースが該当するわけではないため、必ず各校に直接確認してください。授業料は原則無料で、雇用保険の受給資格があれば失業給付を受けながら通える場合があります。
資格を取ってから就職と、就職してから資格取得、どちらがいいですか?
在職中で勉強時間を確保できるなら、収入が途切れない「在職中に取得」が最もリスクの小さい選択です。次の試験まで3か月以内なら特に有利になります。一方、会社が受験料・工具・練習材料費を負担し、受験日を勤務扱いにしてくれるなら、就職してから取るほうが有利です。独学で最も苦労するのは技能試験の練習環境の確保なので、職場に工具と材料があり先輩に見てもらえる点は大きな差になります。実務経験のカウントも入社日から始まります。
試験に合格すれば、すぐに電気工事士として働けますか?
いいえ。試験合格と免状取得は別です。技能試験に合格した後、住所地の都道府県知事に免状交付を申請し、免状が交付されて初めて電気工事士として作業ができます。申請には合格通知書、申請書、写真、手数料などが必要で、窓口と必要書類は都道府県によって異なります。履歴書に書く際も「合格」と「免状取得」は意味が異なるため、正確に記載してください。なお第一種電気工事士は、試験合格に加えて一定の実務経験がなければ免状が交付されません。
未経験・社会人からでも遅くないですか?
第二種電気工事士の試験には受験資格がなく、年齢・学歴・職歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。「経験がないと資格が取れない、資格がないと就職できない」という循環が存在しない点が、この職種の大きな特徴です。また年収は勤続年数より資格と役割で上がる構造のため、遅く始めても資格取得のペースで追いつきやすくなります。40代以降で体力面に不安がある場合は、建物内での作業が中心となる設備管理の方向を選ぶことで、選択肢を確保できます。

